金利に関する思惑は常に為替相場に働いていて、金利が高くなるという見込みが出てくれば、その通貨は買われていきます。それでは金利先高観がいつ、どのようにして発生するのか。それをつかむことが為替相場への入り口を与えることになります。
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前回はリスクファクターのうち、為替相場に影響を与えることの多い株価とコモディティについての相関性を見てきました。今回は直接的にも間接的にもよく為替市場の話題となる金利の動きとの関係を見ていきましょう。
金利に関する思惑は常に為替相場に働いていて、金利が高くなるという見込みが出てくれば、その通貨は買われていきます。それでは金利先高観がいつ、どのようにして発生するのか。それをつかむことが為替相場への入り口を与えることになります。金利商品の特性
金利というのはお金を借りるときの利息のことです。これは不変なものではなく、時々刻々と経済状況を反映しながら動き続けています。この金利を取引対象としたものが金利商品と呼ばれるもので、商品である以上は価格で表示されています。
この価格と金利水準とは1対1で対応していて、金利が上昇すると価格は下落し、また反対に、金利が下落すると価格は上昇する仕組みになっています。金利には短期と長期がありますが、代表的なものとして3カ月LIBOR と国債10年ものだけを見ておけば十分でしょう。
景気との関係景気が良くなると株価は上昇し、その国の通貨は買われ、原材料の需要が高まり、コモディティ価格は上昇します。

これは資本主義における拡大再生産の過程なのですが、食料品やエネルギー価格がさらに高騰してしまうと、かえって自国通貨の価値を下げることになってしまいます。この現象がインフレで、これを防ぐのが中央銀行の役割です。いくら手元の給与所得が2倍になったからといって、おにぎり1個の価格が3倍になっては意味がないからです。
インフレを抑えるということは景気の過熱感を冷やすことを意味します。それには金利を上げるのがもっとも手っ取り早い方法となります。生産活動を営む企業にとっても、消費活動を担う一般の家計にとっても、金利の上昇はすべてのコストを押し上げることになり、過熱化したマインドを後退させることにつながるからです。
また反対に、景気が冷え込んだときには、中央銀行は積極的に金利を下げる方向に動いて、投資意欲を回復させたり、消費者センチメントの改善を図ることになります。
金利の変動要因
このように中央銀行による金融政策は、主に政策金利の上げ下げを通じて行われます。アメリカの例で見てみると、ここ10年の金利の動きには目まぐるしいものがあります。

しかし、金融政策は1カ月に1回くらいの頻度でしか変更されません。一方で、マーケットは日々動いており、金利商品もそのなかで値段を変えていきます。つまり、次回の金融政策で何がなされるか、先に価格のなかに織り込もうとしていきます。実際に、金融当局の金利変更を待っていられないといった感じでしょうか。
それでは何によって金利は動くことになるのでしょう。大きくわけて2つに分類されます。ひとつは景気に関するもので、実際的には株価動向です。株価が高いというだけで金利は上昇する傾向が強まります。
また、景気を測るバロメーターである経済指標も見逃せません。国内景気の状態を探るための指針として雇用関連、住宅関連、工業生産などの指標は、それ以降も株を買い続けていいかどうかを占うためにも参考とするところ大なのです。
もうひとつは、インフレに関するものです。原油価格や食料品価格など、コモディティの値段そのもので物価の上下を判断できますが、経済指標のうちでもインフレ指標と呼ばれるものでも、インフレ動向を判断することができます。生産者物価や消費者物価、住宅価格といったものです。
これらの無秩序な値上がりを放置しておくと、2008年から2009年にアメリカを襲った住宅バブルの崩壊のようなことになるのです。インフレの芽が出てきたなら、中央銀行は「通貨の番人」として利上げをする下地をつくりあげていくことになります。
つまり、景気の過熱やインフレ上昇が意識される局面では株価は上昇し、金利も上がることが予想されます。金利商品の価格は下がるということです。反対に、景気の後退やデフレ懸念が出てきた場合には株価は下落に向かい、金利が下がることが期待されます。債券など金利商品の価格は上昇するということです。
株価との関係だけからいうと、株価と債券価格は反対の値動きをするということになります。これは投資という点から考えてみても当然のことで、同じ100の投資をするのに株式にするのか、債券にするのかの選択を迫られるからです。もし余剰資金がないならば、片方を売って、その得た資金でもう片方を買うという投資行動にならざるをえないとみなされるからです。為替との関係
金利の高い通貨というものはそれだけで魅力に富んでおり、金利の低い通貨に対して買われやすい傾向をもちます。外国為替の取引ではひとつの国の通貨の買いは、もう一方の別の国の通貨の売りを意味します。この二つの国の金利差がそのままダイレクトにキャリーイングコストとして跳ね返ってくるため、より高金利の通貨を保有していこうという強いインセンティブが働きやすくなるのです。
しかし、金利差があるからといって、恒常的に金利の高いほうの通貨が買われ続けるということはありません。現状の金利差は現在の為替レートにすでに織り込まれていると解釈されるからです。
そこで問題になってくるのは、金利差が現行のレベルよりも拡がるのか、もしくは縮まるのかということです。よって金利の絶対水準を問題にするのではなくて、これから金利がどちらに向かうかを考えないと、為替レートがどちらに向かおうとしているのかを正しく把握できないということになるのです。
金利の上昇がうかがえる局面では、その通貨は選好され、大いに買われることになります。きっかけは要人発言であったり、経済指標の発表であったり、株価動向が引き金となったりもします。また反対に、金利が下がるようなトピックが拡がりだしたら、その国の通貨は売りとなります。自分の興味の対象が為替取引のみであっても、金利の変動要因からは目が離せません。

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