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1998年の外為法改正により、個人投資家による為替取引が解禁されて以降、急速に普及してきたFXですが、同時に多くの情報商材も販売されるようになりました。情報商材のなかには、実際に大きな利益を上げた実績のある手法を公開しているものも多数あります。

レンジ相場の攻略法 第2回:井手慶之
レンジ相場の攻略法 第2回:井手慶之

重要なのはテクニカル分析と多くのチャートパターンを知識として知ること

1998年の外為法改正により、個人投資家による為替取引が解禁されて以降、急速に普及してきたFXですが、同時に多くの情報商材も販売されるようになりました。
情報商材のなかには、実際に大きな利益を上げた実績のある手法を公開しているものも多数あります。ただし、どんな優秀な手法でも日々変化する相場環境のなか、利益を上げ続けることは不可能です。言い換えると、「ある特定の相場環境において利益を上げることのできる手法」なのです。
相場環境を大きくわけると、『上昇トレンド』『下降トレンド』、そして、『レンジ』の3つにわけられます。ただし、どの相場環境において有効な手法なのかを明確に示しているものは皆無に近く、その判断は購入したトレーダーたちに委ねられているのが現状です。それ故に、すでに相場環境が変わって使えない、または、最初は利益が出ていたものの、相場環境が変わった途端に損失を出すものも多いのです。
一度損失を出して使わなくなった手法は、次にまた使える相場がきても、それに気づかず、再度使おうとは思わないものです。仮に、その手法がどの相場環境において有効で、さらに、現在の相場環境を自分自身で判断できる力があった場合はどうでしょうか? その手法もひとつの引き出しとして、必要に応じて何度も使うことができるようになります。
もっというと、相場環境を的確に判断できれば、シンプルな手法を用いて自分自身のスキルだけで利益を上げられるようになります。そのために重要になるのがテクニカル分析であり、それぞれの相場で現れる多くのチャートパターンをできる限り知識という引き出しに蓄積することが大切なのです。

レンジオーダーでの便利なインディケータ「RSI」

前回はレンジ相場におけるレンジオーダーについて紹介しましたが、今回はレンジオーダーを行うにあたり、便利なRSIというインディケータの見方、使い方をご紹介します。また、RSIについてはレンジ相場だけではなく、トレンド相場においても有効です。今後、トレードを行ううえで重要なインディケータのひとつになるので、しっかり覚えておいてほしいインディケータです。
RSIとは、Relative Strength Indexの略で、一般的には買われ過ぎ・売られ過ぎを示すテクニカル指標です。RSIが70を超えて上昇したときには強気相場中で買われ過ぎ、そして、30を割り込んだ場合は弱気相場中で売られすぎているサインとして、多くの投資家が注目しています。 このRSIの計算式には指数を使って計算するものと、単純に指定期間の移動幅により計算されるものがあります。

図1

指数とは、期間内のすべての値動きに同じウエイトを置くのではなく、直近の値動きに大きなウエイトを置くことで現在の値動きの特徴を加味した数値です。『WilderのRSI』は、指数を用いることで現状の特徴を反映したRSIといえます。
二つのRSIを比べてみると、若干の違いはあるものの、事前にエントリーポイントを決めておき、RSIのパターンを補助的な目安として使うトレーディングにおいては、どちらを使っても問題ないレベルです。
RSIは70を超えると買われ過ぎ、30を割り込むと売られ過ぎと判断されるのが一般的ですが、相場の勢いを測ることもできるテクニカル指標です。
RSIの数値は数式でもわかるように、指定した日数(期間)のトータル的な変動幅全体に対しての上昇幅の割合を示しています。RSIが50を超えていれば、指定期間内で実際のレートが上昇していることになります。そして、注意すべき点は、RSIがサブチャート内で下落していても、RSIの値が50を超えていれば、指定期間全体で実レートは上昇しているということです。
これが何を意味するかというと、期間全体として見れば上昇してはいるものの、過去の上昇比率と比べると勢いが落ちてきていることです。単純に数値のレベルや上がり下がりを見るのではなく、上昇や下落の勢いを見ることで、その先に起こるトレンド転換や反発・反落を予測することが可能になるのです。

ダイバージェンスを重要視する

具体的には、実レートは上昇しているにも関わらず、RSIの値は切り下がるというパターンをダイバージェンス(逆行現象)と呼びます。ダイバージェンス(逆行現象)は、トレンドの転換期、比較的大きな反発(または反落)前に発生することが多く、エントリーのひとつの条件として使うことができる重要なテクニカルパターンです。
図1を見てください。

図2

レートが上下動しながらも上昇しています。レートの上昇と共にRSIも70を越えて買われ過ぎのゾーンに入ってきました。この時点では、実レートもRSIも高値と安値を切り上げている状態です。
そして、買われ過ぎゾーンからいったんの調整に入り、このときにRSIも一度70を割り込んで、勢いが落ち始めます。その後、再度勢いをつけようとするかたちで高値をトライした際に、実レートは高値を切り上げているのに対して、RSIが高値を切り下げた状態となることをダイバージェンスと呼びます。
実レートは上昇しているものの、上げ幅を縮小しながら勢いが落ちてきていることを示しています。その後、反落や反発が起こるのです。ダイバージェンスは条件として、RSIの最初につけた高値(または安値)が70以上(または30以下)である必要があり、RSIが買われ過ぎ(70以上)もしくは売られ過ぎ( 30以下)のゾーンに入ってきたら、ダイバージェンスに要注意です。
そして、ダイバージェンスがついたら、その後のトレンド転換を狙ったエントリーを戦略とするのか、ある程度大きな反落や反発が終わるのを待ってからの押目買い・戻り売りを狙う戦略とするのかという方針を明確にすることで、次の動きに備えます。

期間14日と期間9日

このRSIには期間設定が必要になり、期間14(日)と期間9(日)が一般的によく使われています。
それぞれの特徴としては、期間14は期間が長いため、ダイバージェンスがつきにくく、騙しが少ないのですが、チャンスを逃してしまうこともあります。そして、期間9については、ダイバージェンスが比較的つきやすいのが特徴で、期間14と比較して騙しもあります。レンジ相場では小さな勢いの低下を察知する必要があり、期間9のほうが適しているといえます。
個人的にもレスポンスが良く、そして、レンジ相場でも使い易い期間9を愛用していますが、期間14のほうが良いというトレーダーも多いため、トレードスタイルを考慮し、どちらを使うか決定するのが良いでしょう。

レンジ相場とダイバージェンス

ダイバージェンスは、トレンド相場の転換期に現れることが多い現象ですが、レンジ相場ではどうなのでしょうか?
レンジとは、ノントレンドの状態であるため、実際、レンジと認識できるようなチャートではダイバージェンスが発生し辛いという事実もあります。ただし、ほんの少しの工夫で、ダイバージェンスはレンジ相場でも有効なシグナルとなり、レンジオーダーを行う際のフィルター(または条件)としてリスクを抑えることができるのです。
その方法を紹介する前に、前回のレンジオーダーについて、簡単に復習をしてみたいと思います。レンジオーダーとは、レンジ形成時に図2の赤と青の矢印のように、レンジ上限で売り、下限で買いを繰り返すオーダーのことをいいます。ただし、レンジはいつどのタイミングでブレイクされるかわかりません。しかも、いつかは必ずブレイクします。

図3

レンジ形成の期間が長ければ長いほどブレイクのリスクが高まるため、レンジ内でのスイング数(※スイング数とは図2内の数字で示したように、レンジ上限と下限の間を上下動する回数を数えたもの)を確認して、5回を超えてスイングしている場合には、レンジオーダーを中止する必要が出てきます。
また、レンジブレイクの方向は、レンジ形成前のトレンドと同方向にブレイクすることが多く、図2のように上方向にブレイクされることが予想される場合は、ブレイク時の売り注文(青矢印)による損失リスクを軽減するため、買い注文のみのレンジオーダーが有効になります(詳細については前回を参照)。
この二つのポイントを抑えてトレードを行えば、リスクは軽減できますが、図2中の青矢印や点線の矢印の売買ポイントではトレードすることができず、チャンスを逃すことになってしまいます。そこで、これらの売買ポイントでダイバージェンスを上手く活用することができれば、図2中の青矢印や点線の矢印部分でも低リスクのトレードが可能になるのです。
図2は、通常時のレンジ相場で見られるレートの動きとRSIの動きです。トレンド相場のように、上下に波打ちながら上昇しているチャートとは違い、ダイバージェンスはあまり発生しません。
レンジ上限と下限の丸で囲った部分でも、RSIは70と30をつけることは少なく、その間で推移します。仮に、70と30をつけた場合には、それだけでトレードポイントともいえます。
そういった意味では、レンジ相場のほうが本来のRSIの使い方である70で買われ過ぎ、30で売られ過ぎといった使い方は有効なのですが、リスクの高いポイントではトレードができないことには変わりありません。そこで、丸で囲ったようなレンジ上限・下限のポイント付近にレートが近づいてきたときに、チャートをもっと短い時間足で表示してみるとどうでしょうか?
図2のようなレンジ相場の一部(ポイントAとB部分)を短い時間足で拡大すると、図3のようになります。

図4

レンジ相場となっているチャートも、短い時間足で見れば、レンジ上限と下限の間で上下動を繰り返しながら上昇または下降するトレンドが形成されているのです。
そして当然、ダイバージェンスも発生します。たとえば、図3のレンジ上限(ポイントA)付近にレートが近づいたときに、短い時間足でチャートを見てダイバージェンスがつくようであれば、上昇の勢いが落ちており、レンジ上限からの反落の可能性が高くなるのです。そして、短い時間足でのダイバージェンスを確認することにより、通常のレンジオーダーではリスクの高くなってしまうポイントでも、短い時間足でのダイバージェンスをエントリーの条件として、極力リスクを抑えたトレードが可能になるのです。
また、ポイントBのようなレンジをオーバーシュートする局面では、スイング数が5回を超えており、レンジ下限(ポイントB)付近では短い時間足で見ても、ダイバージェンスはついていないため、リスクが高くエントリーはできません。
また、ブレイク時点では騙しとなることすらわからない状態です。ただし、ブレイク直後に短い時間足でダイバージェンスが発生するようだと、それが騙しとなる可能性が高くなってくるのです。この場合、最初にレンジ下限をつけるポイントではエントリーを見送ることになるのですが、ダイバージェンスを確認した時点で再度エントリーの検討ができるのです。
レンジ相場では、そもそもレンジの上限・下限が強いレジスタンスとサポートとして意識されているのですが、それに加えて、短い時間足でダイバージェンスを見つけることにより、レンジ内での上昇または下降の勢い低下を確認することができるため、より低リスクでのトレードが可能になるのです。

ダイバージェンスを見つける練習

このようにダイバージェンスは、レンジ相場でもトレンド相場でも活用できるテクニカルパターンです。まずは、ダイバージェンスを見つける練習をしてみてください。
また、ただ単純にダイバージェンスを見つけるだけでなく、ダイバージェンス発生後のレートの動きやチャートのかたちにも注意してみてください。ダイバージェンス発生後によく形成されるチャートパターンやRSIを使ったトレードパターンを見つけることができるかもしれません。
チャートを見るにあたって重要なのは、ただ漠然とチャートを眺めるのではなく、何かエントリーのきっかけになりそうなものを見つけ、その後の値動きやチャートのかたち、ろうそく足やヒゲのつけ方等を注意深く見守ることです。そうすることによって、多くのチャートパターンを自分の知識・経験として得られると共に、現在のかたちからどのようなパターンで動くことが多いという相場観を習得できるようになります。
相場とは、チャートパターンの集合体なのです。これを理解し始めると、チャートを見るのが楽しく、好きになるはずです。

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