確定申告のシーズン真っ只中ですが、平成23年度分の申告に向けて、今回はくりっく365における確定申告の方法と、後半は、平成24年1月から税制改正された、相対取引の申告分離課税におけるポイントについてお伝えさせていただきます。
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確定申告のシーズン真っ只中ですが、平成23年度分の申告に向けて、相対取引につきましては、前回詳しくご紹介させていただきましたので、今回はくりっく365における確定申告の方法と、後半は、平成24年1月から税制改正された、相対取引の申告分離課税におけるポイントについてお伝えさせていただきます(相対取引の確定申告の書き方も掲載)。
確定申告が必要な人はどんな人?
個人取引の方の場合、自分は果たして確定申告が必要なのか、弊社にはそういったご相談もメールやお電話でよく寄せられるのですが、FX取引には、株式の特定口座のような制度がありませんので、利益が出れば原則として確定申告が必要になります。
2月号でもお伝えしましたが、よく「雑所得20万円以下は申告不要」といった内容の記載を見かけますが、この条件はすべての方に当てはまるわけではありませんので、注意が必要です。
なお、確定申告が必要なのに行わなかった場合は、罰則が生じることもあります。現在はとくに、FX業者は税務署に顧客の支払調書を提出する義務がありますので、原則としてすべて把握されています。知らなかったでは済まされませんので、お気をつけ下さいね。確定申告はいつまでに行えばいいの?
確定申告書は2月16日から3月15日の間に、税務署に提出します。ネットでの申告や郵送での提出もOKです。期限内に提出できるよう、早めに準備を始めましょう。
ちなみに確定申告書は、直接、税務署で貰うこともできますし、郵送や国税局のホームページからダウンロードすることも可能です。税金はいつ納めればいいの?
所得税の納付は、原則3月15日までに銀行や郵便局で納めてください。申告書を先に提出し、後日税金を納めてもOKですが、納付は3月15日を過ぎるとペナルティが課せられますのでご注意下さい。
口座振替(指定口座から振替で納める)の場合は、4月20日頃が振替日の目安になります。事前に税務署から口座振替の依頼書をもらって、必要事項を記入し提出します。FXは申告しなくてもバレませんか?
最近でもよくあるのが「FXで利益が出たのですが、いくらまでなら申告しなくてもバレませんか?」という質問です。
先程も述べましたように、FXの所得に関しましては、証券会社には支払調書を税務署に提出する義務がありますので、税務署側は皆さんがいくら儲けているのかを完全に把握することが可能です。つまり、税務署側は皆さんの利益についてほぼ把握していて、その申告状況について疑問がある場合は連絡がありますし、税務調査にやってくるということです。弊社では、FXに関する税務調査に立ち合わせていただいたことが、過去に何度もありますが、その際にも、調査官はFXの所得について完全に把握していました。
ここでまず重要なのは、税務署には全部バレているのだから、FXの所得について誤魔化そうとは思わずに、素直に申告を行なったほうが得策だということです。皆さんも、相手が明らかに隠しごとをしているという証拠をつかんでいるのに、ウソをついて誤魔化そうとされたら、気分が悪いですよね。当然、税務署の調査官も人間ですので、そういう態度や申告をしていると、その後の対応にも影響が出てくることは十分に考えられます。
税務署側と経費の計上の方法等で意見が食い違い、話し合いになることも多いですが、元々こちらに非がある申告書を提出している場合は、強く出られなくなってしまうのは当然です。それで結局、追徴されていては意味がありませんので、最初からきちんと申告しておきましょう。どの申告書を使えばいいの?
平成23年分のFX取引では、一般的なFX業者である、いわゆる「相対取引」か、「くりっく365」かによって申告書の種類が異なります。もし、相対取引でトータル損失がでた場合は、申告不要ですが、くりっく365でトータル損失が出た場合は、損失が繰り越せますので、申告書はやや複雑になります。
こうした違いを表にすると下記のようになります。提出する申告書を間違わないように下記の表を参考にして下さい。
くりっく365と相対取引の税金は別もの
平成23年分の申告では、くりっく365と相対取引は、税務上はまったく別の処理になります。なので、提出すべき確定申告の申告書も当然異なります。くりっく365は「申告分離課税」で税率は一律20%(国税15%地方税5%)。相対取引は、「総合課税」で、サラリーマンの場合なら、給与所得とFXの所得の合計額により税率が変わります。
後程詳しく述べますが、くりっく365と相対取引は合算もできませんので、まったく別の税金として考える必要があります。くりっく365の損失は繰越できる!
くりっく365では、他の先物取引などと合わせても損失が残ってしまう場合には、確定申告により、翌年以降3年間繰り越し控除を受けることができます。
よく勘違いされる方がおられるのですが、平成23年度分の一般の相対取引では、いくら確定申告をしたとしても、損失を翌年以降に繰り越すことはできません。くりっく365と相対取引では利益と損失を合算できるものが違う
これも電話やメールの他、無料相談会等でもよくご相談をいただくことですが、同じFX取引でも、くりっく365と相対取引は、税務上、まったく別の税金ですので、相殺することができません。また、それぞれ利益と損失を合算できるものも違ってまいります。
一例を述べますと、くりっく365は、他の商品先物となら損失と利益を合算できます。たとえば、日経平均先物・日経225mini・商品先物(取引所で取引されるもの)などです。
一方で、相対取引は、他の雑所得となら損失と利益を合算できます。たとえば、公的年金、アフィリエイト報酬、原稿料などです。なので、個人の方の副業で、ネットビジネスを雑所得でされている場合、そちらでは利益が上がっていて、FXで損失が出ている場合などは、雑所得同士を合算したうえで、申告ができますが、アフィリエイトなどのネットビジネスと、くりっく365とでは合算できませんし、ネットビジネスを事業所得として申告される場合は、また異なりますので、注意が必要です。どんなものが経費になるの?
よく「FXでは何が経費として認められますか?」というご質問をいただくのですが、原則として、FXの取引をするために必要なもの(=経費)は、FXの利益から差し引くことが可能です。FXの取引のための電話代、プロバイダー代、本誌のような専門誌の購入代金、セミナー費用などが主なものです。
ただし、経費になるかどうかのポイントは、「収益(FXの場合は売買差益とスワップ金利ですね)を得るために使った費用」かどうかです。注意点としては、電話代やプロバイダー代、パソコン代などは、すべてがFXに使われているものでは通常ありませんので、その全額が認められることはまずありません。
ひとつの判断基準としては、自分がもし税務署側の人間だったとして、経費として計上している理由を聞いた際、合理的に考えて納得できるかどうかです。無理な理由をこじつけて通そうとするのはいけません。
また、確定申告の際に提出する必要はありませんが、証拠として領収書や通信記録などは、すべて保管しておきましょう。どこまでの取引に税金がかかってくるのか?
個人名義でFXの取引をされている場合、税務的には、決済されている確定利益部分には税金が課税されますが、ポジションを保有したまま年末を迎えますと、税金は課税されません。
たとえば、平成23年12月31日にエントリーをして、平成24年1月2日に決済した場合は、個人だと、平成24年分の申告(申告期限は平成25年3月15日)になります。ここで注意しなければならないのは、「決済」された取引については、たとえ証券会社の口座から引き出していなくても、その年の利益(損失)として計算しなければならないということです。よく、「証券会社から出金してない(自由に使っていない)ので利益ではない」と考えている方がおられますが、そうではありませんのでご注意ください。
ちなみに、法人名義の場合は、未決済ポジションについても時価評価し、その期の利益または損失に含めますので、決済されている利益部分にのみ税金が課税されるといったことはありません。FXは個人事業として行えるの?
この時期、多く寄せられるご質問として、「個人事業としてFXを申告したいのですが」というご相談があります。青色申告の申請の際に、すでにそのように登録している方もおられるのですが、FXによる所得は事業所得として申告できるのでしょうか。これにはさまざまな判断基準がありますが、原則として、日本は法治国家ですので、行き着くところは法律的な判断になります(一般的に税理士というのは、税務のプロだというのが当たり前ですが、弊社としましては、そのような理由から、お客さまの利益をしっかりお守りするにあたって、法務の知識も必要だと考え、日々学ばせていただくようにしております)。
なので、法律的な側面からFXは個人事業といえるかどうかを考えてみた場合、説明が長くなりますので、結論だけを書かせていただきますと、それに関しては過去に判例(裁判で判決が出ています)があり、「事業には該当しない」という結果が出ています。その裁判自体はFXの裁判ではなく、先物取引についての裁判なのですが、FXも同様の判断になるものと考えられます。
こういった理由により、弊社では法律面よりFXの所得を事業所得と申告する(個人事業としてFXを行う)ことは難しいと考えております(他にも理由はありますが、ひとつの理由としてご紹介させていただきました)。
実際、私どもの業界でも、FXの所得を事業所得として申告したら、軒並み調査に入られたといった情報も入ってきておりますので、皆さんも確定申告の際には、誰かが可能だといっていたから(もしくはネットに書かれていたから)といって、その情報を鵜呑みにすることなく、しっかりとご自身でご確認のうえ、判断をされますよう気をつけてくださいね。
ホームページなどで「本日、事業所得として申告書を提出してきました。無事に受け取ってもらえて申告完了です」と書かれていることがありますが、申告書を提出した段階で誤りを指摘されることは基本的にありません(住所の書き忘れなどは別ですが……)。誤りを指摘されるのは、あくまで税務調査ですので、「申告書に税務署の収受印をもらった=事業所得として認められた」ではありませんので注意が必要です。平成24年からの申告分離課税の注意点とは?
平成24年1月1日以降のFXにおける相対取引は、くりっく365と同様、申告分離課税の扱いとなりした。この税制改正により、FX取引の相対取引とくりっく365の間で利益と損失を合算できるようになり、また損失が出た場合も、今までのくりっく365と同様、3年間は繰り越すことが可能になりました。
相対取引の申告は、平成23年12月31日までの取引と、平成24年1月1日以降では大きく異なってきますので、申告される場合は間違わないように下記の表を参考にして下さい。
■確定申告書の書き方・くりっく365 の場合
くりっく365で利益が出た場合の利益は、申告分離課税になります。
使う申告書は、確定申告書Bになります。
申告書を書く順番に番号をつけています。
今回は、給与所得の源泉徴収票をもとに確定申告書Bの第二表から書き始めていますが、決まりはありませんので他の申告書から書き始めても問題ありません。
■申告書を書く順番
1. 確定申告書B第二表
2. 確定申告書B第一表(左側)
3. 先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書
4. 確定申告書B第三表
5. 確定申告書B第一表(右側)




■先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書を書く


■確定申告書の書き方・相対取引で利益が出た場合
給与などと合計して申告書を書くことになります。総合課税となるため、使用する申告書は確定申告書Aの第一表と第二表の2枚になります。
FXの所得は、雑所得の欄に記入します。第二表を先に書いてから第一表を書くと楽に書けます。
事前に取引明細書を整理して、収入や経費を一覧表にしておくと、記入はスムーズです。
■源泉徴収票とFX取引の内容と収支を揃える




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