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風雲急を告げる為替市場。1ドル80円割れの円高も視野に入り、年末年始に向けても激動の相場が続きそうだ。そこで今月号では、本誌でもおなじみの3人のプロフフェッショナルに、今後の相場展望と、われわれ個人投資家はどのようにFXで儲ければいいのかを緊急討論してもらった。

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  • 緊急鼎談 今後の為替市場の展望と個人投資家へのアドバイス:佐藤正和・田嶋智太郎・小口幸伸
緊急鼎談 今後の為替市場の展望と個人投資家へのアドバイス:佐藤正和・田嶋智太郎・小口幸伸
緊急鼎談 今後の為替市場の展望と個人投資家へのアドバイス:佐藤正和・田嶋智太郎・小口幸伸

風雲急を告げる為替市場。1ドル80円割れの円高も視野に入り、年末年始に向けても激動の相場が続きそうだ。そこで今月号では、本誌でもおなじみの3人のプロフフェッショナルに、今後の相場展望と、われわれ個人投資家はどのようにFXで儲ければいいのかを緊急討論してもらった。

◆出席者◆

佐藤正和(外為オンラインシニアアナリスト)
田嶋智太郎(アルフィナンツ代表取締役)
小口幸伸(オグチインベストメント研究所代表)

■年末年始へ向けての為替相場動向

-1ドル80円代突破が目前の円高が続いていますが、年末年始にかけて為替相場はどのような展開になるのでしょう?

小口:今の為替相場にはドル全面安というクリアなトレンドがあります。今後もアメリカの量的な金融緩和がどこまで続くのか、FOMC(連邦公開市場委員会)を睨んだ相場展開が続きそうです。
もう少し大きな視点で見ると、世界各国が自国の輸出産業に有利なように通貨切り下げ競争に走り、通貨戦争が起こっているというのが為替市場の現状です。そして、その戦争の主役といえるのがアメリカと中国。
アメリカか、中国か、どちらかが勝利するまで、この通貨戦争は終わりそうにありません。
ただ、中国は人民元の為替操作を続けることで、2兆5000億ドルもの外貨準備を抱えています。ドル安が続いて、保有外貨に含み損が生じていることから、為替操作もそろそろ限界でしょう。アメリカとのチキンレースに敗れ、中国が人民元の一段の切り上げに踏み切る局面が、通貨戦争の最終着地点になると考えています。

田嶋:私も2011年半ばまではドル安トレンドが続くと予想しています。ただし、FRB(連邦準備制度理事会)の金融緩和によってアメリカの景気が徐々に回復し、リーマンショック以降、初の政策金利引き上げが視野に入るようになれば、トレンド反転が起こるはず。おそらく、2012年に入ってからのことになるでしょうが、それを見越して、2011年半ばぐらいから「ドル/円」も底打ち反転する可能性が高いと考えています。
ただ、短期的には今後、ますますアメリカの景況感が悪化するはずです。10月の雇用統計でも、公務員の新規失業者が8万人規模に達し、民間だけでなく公的部門でも深刻な人員整理が進んでいることが浮き彫りになりました。アメリカの雇用、住宅、個人消費は陰の極に向かっている印象です。

佐藤:2011年の春先までは対円だけでなく、ユーロ、豪ドルなどに対してもドル安が続くはずです。ただし、FOMCの金融緩和はいずれかの時点で為替相場に織り込まれるはずで、そうなると短期的なドルの反発があるかもしれません。さらに、金融緩和の効果が出て、アメリカの住宅、雇用情勢の悪化が止まれば、ドルも底を打つ。2011年の春先には、「ドル/円」が反発上昇に転じる可能性があると考えています。

■「ドル/円」70円台突入は十分ありえる

-具体的には、どの程度まで円高が進むのでしょう?

小口:95年4月の史上最高値79円75銭を越えて、1ドル75円程度の円高は想定しておいたほうがいいでしょうね。日本政府による円売りドル買い介入もあるはずですが、これまで相場の勢いに逆らって成功した介入は一度もありません。「ドル/円」がどの時点で底を打つかは、相場に緊張感があるか、死んだような状態になり、閑散とするかといった市場動向や相場心理にも左右されると思います。

田嶋:「ドル/円」に関しては1ドル70円台前半までの円高はありえると思います。ただし、個人投資家の立場からすると、どの通貨ペアをトレードすると一番儲かるのか、というのが最大の関心事。ドル安トレンドは続いていますが、日本政府の為替介入も予想されるので、「ドル/円」を下の方向に見て売りで勝負しても、たいして儲からないだろうという思いはあります。
ドル安は対円だけでなく、ほかの通貨でも進んでいますから、「ユーロ/ドル」の上昇を想定して、押し目買いを狙うという戦略なども有効でしょう。長期的に見た場合、「ユーロ/ドル」は08年7月末につけた1.6038ドルを高値にした下降トレンドが今も続いていますが、短期的には、もう一段の上昇があってもおかしくないと考えています。

佐藤:確かに1ドル80円台割れは時間の問題でしょう。77~78円ぐらいまではいくかなと思います。介入などもあって、「ドル/円」に関しては短期的にも、中期的にもまだまだ投資しづらい環境にあると思います。
では、どの通貨に投資すべきかというと、現状では世界でもっとも景気がいいといえる豪ドルを買わない理由はないのかなと思いますね。

■資源国通貨への投資も確かな戦略だ

-少子高齢化が進み、財政危機も深刻化している日本では、今回が「最後の円高」、つまり、外貨投資の最後のチャンスになるのではないか、といわれています。佐藤さんは豪ドルが有望とお考えのようですが、小口さん、田嶋さんはいかがでしょうか?

小口:先日、北アフリカを訪れる機会がありましたが、当地でカナダドルが取引されていてびっくりしました。史上初めて通貨取引高で豪ドルがスイスフランを抜くなど、今の為替相場は通貨の大変革期といえます。中長期的には、存在感を増しつつあるカナダドル、豪ドルなどをロング志向で投資する戦略が有効だと私も思いますね。

田嶋:通貨にとどまらず、世界全体の勢力地図が大きく塗りかわりつつあるのが今の状況です。これまではブラジル・リアル、南アフリカ・ランドなど、あまりに流動性が低い国の通貨は敬遠されてきました。しかし、3年後、5年後には、リアルやランドの流動性が高まって、上昇基調が続く可能性もあります。
目先は円高が続くでしょうが、長期的に見たら、資源が乏しく、膨大な財政赤字を抱えている日本円の凋落が始まる可能性も高いでしょう。レバレッジ1倍でオージー、キャンドルなど資源国通貨に投資するのは確かな戦略だと思いますね。

■レバレッジを抑えた投資を心がける

佐藤:ただ、中長期投資では、レバレッジを抑えた投資を心がけたほうがいいでしょう。
1ドル90円近辺をつけた時点でも、十何年ぶりの円高だといって、多くの個人投資家の方がドル買いに走りました。しかし、ハイレバレッジで取引すると、そこから10円円高が進むと、もうもちこたえられません。1ドル80円を割れたとしても、さらに、3円から5円程度、円高が進むことは十分に考えられる。ハイレバレッジの取引では注意が必要です。

■投資スタイルとチャートをフィットさせる

-個人投資家はチャートを売買判断に使っています。どのようなシグナルを頼りにしたらいいのでしょうか?

小口:チャートはポジションをつくるときに使うものはなく、利食いに使うものというのが私の持論です。さらに、相場状況に応じてチャート分析に改良を加えていかないと、使い物にならないでしょう。

佐藤:チャート分析のいいところは、売買判断の基準が明確になる点です。誰も大底で買って、天井で売ることはできません。勘やフィーリングに頼った売買はかならず失敗します。だからこそ、チャート分析で損切りポイントを決めて、損益管理を徹底することが、FXで儲けるための極意になるのだと思いますね。
損益管理を厳密に行うという意味では、チャートにトレンドラインを引いて、レジスタンスラインを越えたら買い、サポートラインを割れたら売りという、単純なトレンドラインを使った分析だけでも十分です。

田嶋:自分の投資スタイルと使っているテクニカルツールがフィットしているかに注意すべきでしょう。短期売買をしているのに、一生懸命日足チャートだけ見ていても失敗するはずです。たとえば、200日移動平均線を使うなら、年に1回ぐらいしかエントリーポイントがないはずなのに、毎週エントリーしてしまうということは避けたほうがいい。

■個人投資家の役に立てれば

-小口さん、田嶋さんは外為オンラインが提供する「外為LAB.(ラボ)」に為替レポートを毎週、掲載されています。掲載にあたって心がけている点はどんなことでしょうか?

小口:「外為LAB.」では、今、どんなテーマに為替相場の焦点が当たっているかを軸に書いています。為替相場で勝つためには、自分なりに相場転換のシナリオをつくる必要があります。そのシナリオづくりに役立ててほしいですね。

田嶋:私の場合は、為替相場の大きな流れを概観しながら、目先の短期的な動きをどう見るのかについても考察しています。自分だったらこの売買ポイントで投資するといった、具体的な判断材料も書いているので、みなさんの実践投資の参考になれば光栄です。

佐藤:私は外為オンラインの「今日のアナリストレポート」を毎日執筆しています。内容はデイトレード向けともいえますが、弊社のセミナーにこられる方でも、デイトレードで大成功している個人投資家はきわめて少ないというのが実感です。半年、1年とはいわないまでも、もう少し時間的な余裕をもった低レバレッジの投資を心がけることが、FXで儲けるための近道といえるでしょう。

-本日はどうもありがとうございました、今後も外為オンラインのサイト上でのお三方の相場解説に注目しています!

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