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通常、市場というと、生鮮食料品の市場を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?外国為替取引における為替市場は、建物があって、そのなかで取引が行われているわけではなく、高度な電子的媒体(コンピュータ回線)や電話で銀行と仲介業者とが繋がっている電話市場を指します。

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未経験者・初心者のための外国為替証拠金取引:小林芳彦
未経験者・初心者のための外国為替証拠金取引:小林芳彦

■為替市場はどこにある?

通常、市場というと、生鮮食料品の市場を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?外国為替取引における為替市場は、建物があって、そのなかで取引が行われているわけではなく、高度な電子的媒体(コンピュータ回線)や電話で銀行と仲介業者とが繋がっている電話市場を指します。

参加者が毎日決まった場所に集まり、外国為替の売買を行うような取引所で取引される外国為替も世界にはありますが、そのような市場はどちらかといえばローカルな市場であり、東京市場、ロンドン市場、ニューヨーク市場のような3大市場は、あくまでも電話市場の複合体を指す巨大な市場であり、取引所では取引されていません。

■どんな参加者がいるの?

外国為替市場はインターバンク市場と対顧客市場にわけられます。インターバンク市場は文字通り銀行同士が、自己の為替ポジションを売り買いするマーケットを指し、対顧客市場とは、銀行が自行の顧客と取引するマーケットを指します。一般的には、貿易を行っている輸出入業者、両替商、クレジットカード会社、生命保険会社、損害保険会社、その他機関投資家、証券会社、一般事業法人、金融先物取引業者などが対顧客市場の顧客であり、銀行は、対顧客取引を通じて発生したポジションを、インターバンク市場で調整して、リスクヘッジしています。

また、中央銀行も特定の目的をもってインターバンク市場に参加することがあり、これを市場介入と呼んでいます。

インターバンク市場は、銀行同士が相対で売り買いを行うDD取引(ダイレクト・ディーリング取引)と、仲介業者(外国為替ブローカー)や電子ブローキングシステム(EBS)を通じて売り買いを行う仲介業者経由にわけることができます。

昔は、銀行間の取引に人が介在する外国為替ブローカー経由がほとんどを占めていましたが、電子ブローキングの発達はすさまじく、今では完全にシェアは逆転し、電子ブローキングシステム経由の取引が、仲介業者経由の取引金額の90%以上を占めるようになっています。

■「市場介入」って何?

「為替の過度な変動と無秩序な動きは経済・金融の安定に悪影響を及ぼすため、過度な変動を抑制する観点から介入を実施した」

これは9月15日に、日本の財務省・日銀が6年半ぶりに為替市場に介入したときのコメントです。市場介入とは前述のように、中央銀行がインターバンク市場で行う取引を指し、単独介入と協調介入があります。

単独介入とは、一国の中央銀行だけが為替市場に介入するやり方で、一般的には取引金額も少なく効果が小さいです。一方、協調介入とは、為替レートの乱高下が世界経済にとって好ましくない場合や、相場の急変が世界経済に悪影響を及ぼす場合に、為替レートの安定を目的として、先進国を中心とした数カ国の中央銀行が同時に介入するやり方です。

取引金額も多く、効果が大きいです。協調介入の効果のうち、一番大きな効果としてあげることができるものは、各国が同時に動いたというアナウンスメント効果です。世界各国が為替市場に対して強い意思表明をしたという事実は大きなインパクトをもち、これをきっかけにして、相場が反転したプラザ合意がとくに有名です。

また、介入には自己勘定での介入と委託介入とがあり、自己勘定での介入とは、直接中央銀行が市場参加者と取引することを意味し、委託介入とは、ある中央銀行が別の中央銀行に介入を代行して行ってもらうやり方です。

一般的には、委託介入は金額が少なく、また回数も少ないため、効果は「介入を行っているというアナウンスメント効果のみ」のケースが多いです。実際に私がクレディスイスNY支店にいたときに、FRBが為替市場に介入しましたが、1回で2000万ドル、確か同日に2回やったように思いましたが、大手の銀行で介入エージェント銀行(中央銀行は介入を行う際に市中銀行の中から経験、実績、プロフェッショナル度などを勘案して、前もって介入担当行を選抜しておきます。これらの銀行を介入エージェント銀行と呼びます)全部を合計しても、きっと2億~3億ドルだったのではないでしょうか?これは委託介入だったと記憶しています。

セールスチームも緊迫感がなく、淡々と処理をしていたように思いました。昔は電子ブローキングシステム(EBS)が存在せず、夜中の時間帯は直接自己勘定の介入ができなかったため、他の中央銀行に委託して介入をしてもらうしか方法がなかったのですが、今ではやろうと思えば、24時間直接電子ブローキングシステム(EBS)にアクセスできるため、委託介入する必要性は薄れていると考えられます。

また、介入エージェント銀行に夜間や休日に出てきてもらえば、委託介入する必要もなく、自己勘定で介入できます。日銀が銀行に休日出勤体制を確認したという市場の噂を耳にすることがあるのは、一回の介入金額が多く、回数も多いために、相場水準を押し上げるような場合に有効な自己勘定の介入があるかもしれないという憶測が流れるからだと考えています。

■9月の介入について

9月に日本当局が行った介入は自己勘定の単独介入でした。金額にして2兆1249億円の介入が行われましたが、介入で3円上がった相場は、その後、5円下落する結果となり、単独介入の限界を表しています。現在の世界経済の状況では、協調介入することはまったく考えられず、単独介入で巨額の資金を投入しても、介入効果は長続きしないことが明らかとなっています。

それをわかりつつも、日本当局が単独の介入に踏み切ったのは、円高が急激であり、さらに、これ以上円高が進むと、回復基調にある日本の景気に悪影響を及ぼすと判断したためです。

しかし、G7で日本当局が過度な変動を抑制する観点から介入を実施したことを説明し、特定の水準を目標として長期にわたって大規模に行う介入ではないことを明確に述べたため、以前のような大規模な押し上げ的な介入を今後行うことができなくなったのではないかという思惑が台頭しました。

景気回復が思ったようには進まない米国の追加利下げ観測と相まって、引き続きドルの上値を重たくする展開が続いています。米国の経済が回復し、将来、米金利が上昇に転じるまでは、ドル安リスクがつきまとい、円急騰の可能性が残るため、ドル買いには今後も充分な注意が必要だと考えています。

次回は、取引時間帯の特徴について。どんな取引手法が(短期・中期・長期)適しているのか、どんな通貨ペアがトレードに適するのかについて一緒に学んでいきましょう。ご期待下さい。

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