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まず、短期売買とは何を指すのかということから始めましょう。取引スタイルとしては、スキャルピングとデイトレードの2つにわけられます。

最強FX基礎講座 第25回:岡安盛男
最強FX基礎講座 第25回:岡安盛男

■短期売買とは何か?

まず、短期売買とは何を指すのかということから始めましょう。取引スタイルとしては、スキャルピングとデイトレードの2つにわけられます。

スキャルピングとは、数秒から数十秒の間に売買を素早く行い、利ざやを稼ごうとするもので、もっとも短時間で行う取引手法です。英語の意味は、頭の薄皮を剥ぐというのが語源だそうですが、薄い差益を狙うハンターというイメージはこの取引そのものかもしれません。FX取引というとスキャルピングのことだという方もいる程、FXではポピュラーな取引スタイルです。

もうひとつの代表的な短期売買として、デイトレードが挙げられます。この取引は、スキャルピングよりも利ザヤを大きく取りにいくため、ポジションのもち時間も数十分から数時間かけて行う取引スタイルです。

さて、今回はFX取引の基本中の基本であるスキャルピング取引のコツと実践、そして、それに適した通貨のポンドの特徴をここではご紹介しましょう。

■短期取引を始めるときの条件
-短期取引に適した通貨ペアとは-

通貨ペアはできるだけ値動きの活発なものを選びます。超短期の取引では、動きの少ない通貨は勝負になりません。まるで魚のいない水たまりに糸を落としているようなものです。しかも、スプレッドが狭いものでなければいけません。

短期取引では、たとえば、10ポイントの利ザヤを稼ごうとしたときに、スプレッド(売り値と買い値の幅)が5ポイントとすれば、そこですでに利ザヤは5ポイントになってしまいます。

もし、まったくレートが動かなければ、売買をするだけでマイナス5ポイントになってしまうためです。たとえば、「ドル/円」が85円10銭(売り値)-85円15銭(買い値)と表示(図-1)されたときに、85円15銭でドルを買ったとします。

図-1

市場がまったく動かないときに、買いのポジションを決済するとなると、85円10銭で売ることになります。そこですでに5ポイント(銭)の損失が生じてしまいます。従って、このスプレッドができるだけ狭い通貨を選んで取引を行うようにします。

スプレッドはその業者によって異なるために、あらかじめ十分に業者選びをしてから始めましょう。しかし、そのスプレッドがいかに良くても、実際に取引をしようとすると、レートが拒否されたり、あるいは値動きが激しいときなどでは、頻繁にスリッページといって、レートが実際よりも不利なレートで取引されてしまうこともあります。

できるだけ、スリッページや拒否の少ないレートを提示する業者選びが大切です。

-推薦したい通貨は、ポンド-

さて、スキャルピング取引で私がもっともお勧めしたい通貨は「ポンド」です。現在の基軸通貨はドルですが、ポンドは第2次世界大戦までは世界の基軸通貨として流通していました。そのため、今でもその名残から、いろいろな国の通貨との流動性が高いため、通貨として人気があります。

現在のポンドは約135円程度ですが、元々ポンドは昔から価格は高く、1980年初頭には1ポンド570円台で、それ以前は900円近くするときもあった程です。最近では、3年前の250円というのが高値になります。

価格が高いということは、それだけ値動きが大きいことを表します。また、流動性が高いということは、それだけスプレッドが狭くなります。また、ポンドの金利は、今は0.5%と非常に低いレートですが、これまで高金利通貨であったために、今でもそのイメージが強く残る通貨です。実際、これからもインフレの動きが強まれば、一気に高金利に戻る可能性も十分考えられる通貨です。

高金利通貨自体も値動きが激しくなる特性をもつため、短期取引に向いているといえます。通貨ペアとしては、「ポンド/ドル」や「ポンド/円」がとくに値動きも大きく、また、スプレッドも値動きが激しい割に狭いため、最適の通貨ペアといえます。

「ポンド/ドル」は値動きが激しく、ワンサイドに動き安い特徴があります。しかし、「ポンド/円」は「ドル/円」と「ポンド/ドル」のかけ算通貨ということもあり、とくに、値動きが一方的になりやすい通貨ペアです。

ロンドンには中東の大量の投機資金が流れ込みやすいことから、ポンドは投機の対象になりやすい通貨です。短期的な投機資金が入るということは、往って来いとなりやすいため、大きな動きがあれば、その戻しを狙うのも攻略法のひとつとなります。

-「ユーロ/ドル」や「ユーロ/円」も適している-

その他の通貨としては、最近では、ギリシャ・ショックなどもあり、とくに、ユーロの動きが激しいため、「ユーロ/ドル」や「ユーロ/円」も短期取引に適しています。もちろん、他にも「ドル/円」や「豪ドル/円」なども、その対象となる通貨ペアの条件を満たすものです。状況によって通貨ペアを選んで取引するようにしましょう。

-取引の時間帯-

短期取引ではできるだけ時間を効率よく使うことが大切です。そのため、取引が活発な時間帯を選んで、集中的に取引を行うようにします。

取引の活発な時間帯としては、ニューヨーク時間が終わって引付けが変更する6時(冬時間では5時)前後が狙い目です。また、東京では仲値の決まる10時に向けてドルが上昇することが多く、とくに、ゴトウビ(5・10日)は動きがみられます。

また、オプションカットが15時やニューヨーク市場の23時(冬時間22時)。また、欧州勢が入り始める16時頃から18時近辺。さらに、米国の重要指標が発表される21時半や23時(冬時間は20時半と22時)、ロンドン・フィキシングタイムの24時(冬時間23時)前後などを狙って、集中的に取引をします。

図-A

■スキャルピングの基本と攻略法
-スキャルピングの基本-

スキャルピングとは、数秒から数分の短時間で数ポイントから数十ポイントの鞘抜きを行うことです。これはスプレッドが狭くて、手数料がないFX取引だからこそできる手法です。インターバンクディーラー(銀行間取引を行うトレーダー)は、基本的にこの手法を行っています。
 短時間の取引のため、為替変動リスクは比較的少ないことから、取引金額はデイトレードなどと比べると大きなポジションで勝負を行います。
 基本としては、ファンダメンタルズや相場観といったものはあまり必要ないと考えて結構です。あくまで瞬間的な判断と瞬発力、そして、決断力の早さが必要とされます。

攻略法
-チャートをチェック-

取引前には必ずチャートをじっくり眺めてから始めます。チャートの見方は、最初に5分足で24時間の値動きを見てから、時間足などで1週間程度の大きな流れをチェックします。

一通りチャートを見た後、1分足チャートやティックチャートなどで、どの程度の上下の幅の動きで推移しているのかをチェックします。たとえば、図Bをみると、1分足の長さが最大で約20ポイント、数分間の幅でみると30ポイントあまりあります。

低い山では15ポイント弱のものも多く見られます。その範囲内で利食いと損切りを行うようにイメージしておきます。その後は、チャートではなく、実勢レートをじっくりと見ながら、ポジションをもつタイミングを待ちます。

図-B

-ポジションの入り方と出方-

スキャルピングのもっとも重要なことは、ポジションをつくるときのタイミングです。
 入り方には、逆張りと順張りの両方がありますが、スキャルピングの基本は逆張りだと、私は考えます。

相場の動きには2通りの大きな特徴があります。ひとつはレンジ相場で、もうひとつはトレンド相場です。スキャルピングは、レンジ相場が適していると思います。

-レンジ取引での逆張り-

レンジ内での動きが継続しているときであれば、底のレベルに近いところを逆張りで買いを入れていきます。もし、このとき、底を抜けてくるようであれば、迷わず躊躇せずに損切りを行います。
 スキャルピングでもっとも大事なことは、この損切りの際に躊躇をしないということです。もし、逆張りの買いが成功した場合は、利食いのタイミングが問題となります。
 先ほど、基本のところで書いたように、値幅のイメージを頭に入れておいたことで、その値幅で上昇から下降に転じ始めたら、欲を張らずに利食いを出します。

重要なことは、上下のリズムに上手く乗ることです。利食いが終われば、今度はレンジの上限付近で売り場を探ります。

-レンジを抜け出たときの順張り-

スキャルピングでは、レンジをブレークして抜け出したときには、順張りで向かうようにします。このときのほうが値幅は比較的大きく取ることができます。

図Cをみると、このときはレンジの上限の手前でショートをつくってしまい、瞬時に損切りを行うか、あるいは、勢いがあるようなときには途転(ドテン)を行います。

図-C

-テクニカル分析を使ってタイミングを図る-

チャートをチェックのところで、ティック足や1分足などを見た後は、実勢レートをじっと睨んで、ポジションのもつタイミングを待つと書きました。
 そのタイミングをより確率の高いものにするためには、テクニカル分析が有効となります。とくに、レンジを抜けるポイントを見つけるときや、次の流れができるときを狙うようにします。

相場はほとんどダマシとの戦いといえますが、できるだけ騙されないようにするためには、テクニカル分析は必須です。短期の5分足などにおけるパターン分析などは有効です。
 たとえば、ダブルトップや三尊型と呼ばれるヘッド&ショルダーなどを形成したときなどは、天井となる確率が高いため、売りから入るタイミングを狙うようにします。
 もちろん、その反対のダブルボトムや逆三尊型では、買いのタイミングを狙うようにします。
 また、保ち合いパターンも同様に有効です。たとえば、代表的な三角保ち合いなどで収束してくると、どちらか一方に放れる確率が高まり、この習性を狙った放れた方向にポジションをもつようにします。このようなときは、通常よりも大きく利鞘を稼ぐことができるので、短い時間のなかでもリターンを増やせます。

スキャルピングというよりも、デイトレに近い取引になるかもしれませんが、その辺は臨機応変に利益を追求していきます。

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