レバレッジとは何か?
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■レバレッジって敵?味方?
レバレッジと聞いてすぐわかる人は、FXをある程度知っている人だと思います。しかし、一般的に「レバレッジ」と聞くと「何それ?」という人や、「危ないモノ」と思う人が多いようです。そこで、今回は、レバレッジについて正しい認識をしていただくために、わかりやすく解説していきたいと思います。
レバレッジとは本当に怖いものなのか、それとも力強い味方なのでしょうか。そのレバレッジの仕組みを理解することでFXの攻略法をしっかり身につけましょう。
■「レバレッジって何?」
(1) レバレッジの仕組み
(2) レバレッジのメリットとリスク
(3) レバレッジ規制
■レバレッジの仕組み
レバレッジとは「梃子(てこ)」、即ち少ない力で大きなものを動かすという意味で、FX取引においては、少ない自己資金で大きな取引を行うことを指します。
たとえば、レバレッジ100倍の取引ができるということは、自己資金の100倍の取引ができるということを意味します。もし、あなたが今現金で100万円をもっているとすれば、1ドル100円のときには、1億円(100万ドル)の取引ができるということになります。
なぜ、そんなことができるのか疑問に思いませんか。もし、あなたが銀行で1億円を借りようとすれば、それ以上の担保が要求されるはずです。それなのに、そんな大きな金額の取引ができるのは不思議だと思われるでしょう。実は、それには決済の方法に秘密があります。
■差金決済
「差金決済」という方法でお金のやり取りをすることで、自己資金の何倍の取引、いわゆるレバレッジを利かした取引を可能にします。「差金決済」とは、元本のやり取りをせずに、損益の差額分だけを決済することをいいます。
今では銀行同士の決済などは、この差金決済を使って行うのが一般的です。この説明をする前に、まず、FX取引の基本的な取引日と決済日の違いを知りましょう。
たとえば、下の【図】のように、10月4日月曜日に「ドル/円」を10万ドル買ったとします。その決済する日(資金の受け渡し日)は、基本的に第2営業日後の6日(水曜日)になります。「基本的」といったのは、どちらかの国(「ドル/円」では日本か米国)が祝日のときには、決済日は次の営業日にずれこむためです。本来は決済日の6日に元本の10万ドルが自分の口座に振り込まれると同時に、その対価の円を支払います。
同日に元本を受け取り、同額を支払うというのは、手間もかかると同時に送金手数料や、受け渡しのときのリスクがあるため、なるべくそういうことは避けようということから、差金決済という方式が考えられました。
さて、もし、10万ドルを100円で売ったとすれば、1000万円を受け取ることになります。そして、同日4日の月曜日に10万ドルを95円で買い戻したとすれば、決済日の6日に950万円を支払うことになります。そして、売り買い両方の元本10万ドルの出入金が同額のため相殺されます。対価の円の入出金は、差額50万円と証拠金の100万円と合わせた合計150万円が口座残高となります。
それでは、もし当日決済をしない場合はどうするのでしょうか。まだあなたはドルが下がると考えているため、買い戻したくないというときには、ポジションとして売りの10万ドルだけが6日に残ってしまい、元本を相殺できないことになります。
そういうときは、FX業者が5日に変わった時点で、決済日を6日から次の営業日の7日に繰り延べ(ロールオーバー)作業を行います(営業日とは銀行が開いている日になります)。
その際に、スワップポイントという、円とドルの金利差が発生することになり、その金利差の受払もこのときに行われます。この金利差に関して、今回は省略させていただきます。
このように、反対サイドの売買を行うまでは、半永久的に決済日はロールオーバーされ、必ず売り買いが同日に行われ、相殺されるような仕組みになっています。
このように、「差金決済」を行うことで元本の受払をすることなく、その差額分だけの受払で済むため、大きな金額を取引することができるのです。
さて、レバレッジとはいったい何のためにあるのでしょうか。これはわれわれにとって非常に大きな武器を与えてくれたようなものですが、使い方によってはリスクもあります。

■レバレッジのメリットとリスク メリットとは?
先ほどの例でみると、預託証拠金を100万円預けた場合、1ドル100円のときにレバレッジ100倍をフルに利用するとすれば、100万ドルの取引ができることになります。100万ドルを買い、そこから5円上がれば、500万円の利益が出ることになります。これは年率500%の利回りを達成したことになります。この利回りは驚異的ともいえるものです。
レバレッジという武器がなければ、1億円の現金取引をするには、何十年働いても無理かもしれません。それを考えると、レバレッジはわれわれ庶民の強い味方ということになります。
しかし、もし思惑と反対に動いた場合はどうでしょうか。1ドル100円で買った100万ドルが、95円に下がってしまったとします。そうなると、500万円の損失を被るとこになると思っていませんか。
それは違います。預けた100万円がゼロになる手前で、強制ロスカットがかかるためです。ほとんどのFX取引業者では、証拠金を下回る前に、強制的にポジションの手仕舞いを行うからです。
たとえば、ロスカット基準が有効証拠金の20%とFX業者が定めているとすれば、証拠金100万円の20%にあたる20万円を下回った時点で、強制的に自動決済が発動されます(相場の状況次第では20万円を下回ることもあります)。
従って、利益に対しては制限がありませんが、損失は預けた証拠金以内で済むことになります。
■リスクとは?
レバレッジが大きければ、それだけ大きな取引ができますが、一方で、大きな金額だけに、少しのレートの動きにより、ロスカットがかかりやすくなります。100万ドルのポジションをもてば、1円動くだけで100万円の損益が発生しますが、ポジションを10万ドルに縮小すれば、10円幅の余裕ができることになります。
デイトレを行ううえでは、余裕をもって取引をすることが大切です。損切りレベルをあまり近くに置いておくと、ロスカットばかりが先行して、利益を出しにくくなります。いわゆる、損切り貧乏になってしまいます。
レバレッジは大きいに越したことはありませんが、常に限界まで使う必要はありません。いざというときだけ使えば良く、自分自身でそれをコントロールをするようにします。車にたとえれば、5,000CCクラスの大きな車で200キロ以上スピードが出るとしても、ふだんは50キロしか出さないのと似ています。
金融庁はそのコントロールが個人では難しいということから、投資家保護という名目で、レバレッジに規制をかけることになりました。
■レバレッジ規制
金融庁は今年8月からレバレッジをいっせいに50倍に規制しました。さらに、来年の8月からは25倍に規制されます。これまでレバレッジについて解説したように、レバレッジ自体は決してリスクが高いものではありません。ただ、その使い方によってはリスクが高まるということです。
そのリスクとは、少しのレートの動きで大きな損失が出てしまう可能性があるということです。ただし、先ほど解説したように、預けた証拠金を超える損失は原則的にありません(市場の状況によっては超えることもあります)。
むしろ、レバレッジ1倍の外貨預金などの取引のほうが、大きな損失を被ることがあります。たとえば、2008年に起きたリーマンショックでは、「豪ドル/円」がそのショックの前後から50円あまり急落しました。FX取引で豪ドルを買っていた人たちは、早いうちに強制ロスカットがかかり、助かった人も多かったと聞かれます。
反対に、外貨預金などをもっていた人たちは、結局、最後まで損切りをせずにもち続けました。外貨預金で10万豪ドルをもっていた人は、500万円あまり損失が出たことになります。
しかし、FX取引で100倍のレバレッジ取引でポジションをもっていた人は、100万円の損失で済んだことになります。このように、レバレッジはむしろ、リスクではなく、お金を守ってくれるものという考え方もできます。
■上手く使えば大きなチャンス
レバレッジを上手く使えば、大きなチャンスをものにすることができます。たとえば、リーマンショックの下落時に、レバレッジを最大にして、豪ドルなどを売れば、短期間で大きな利益を稼ぐことができます。
ふだんは自分にあったレバレッジの倍率で取引をし、いざというときにはレバレッジを利かせるのが、レバレッジの最大の攻略法であり、魅力でもあると考えます。

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