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■その仕組み、1万通貨とどう違う、そのメリットは ...

1万通貨取引の10分の1:綾木望
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■その仕組み、1万通貨とどう違う、そのメリットは

巷ではブームといわれているように、FXが大変な活況を呈している。FX人口は確実に増えているが、その一方で、投機的で怖いというイメージからFXを敬遠する人も多い。確かに、常識で考えると、1万円の証拠金で数百万円分売買ができるとかは不思議なようだ。しかも、株でも最初は現物取引しかできないのに、FXは最初に売りから入れるということが商品の大きな特徴のひとつで、それがリスキーと思わせる原因でもある。そこで今回、実際に1000通貨単位の取引を提供している会社を取材してみた。

だからこそ、ロスカットしてもさほど大きな額にならないようなFXへのニーズは根強いはずだ。それに応えるように用意され、今注目されているのが、従来の1万通貨取引の10分の1となる1000通貨取引だ。取扱い業者は1万通貨取引と比べればまだまだ少ないが、ビギナーが安心して取引できる単位としてこれから伸びていくことが予想される。

今回取材した4社のうち1社は1000通貨よりさらに小さい100通貨取引を提供している。1000通貨ではないが、1万通貨より小さい取引単位ということと、その商品のユニークさで、今回リストに加えさせてもらった。 まず4社の1万通貨と1万通貨の主な内容を比較したものを見て欲しい(【表1】)。企業名、サービス名、各社それぞれ左が1万通貨で、右が1000通貨(100通貨)の主な特徴を表した。

扱い通貨ペアの数やスプレッド、最低証拠金などが、1万通貨と1000通貨で同じところと、違うところなどさまざまだ。後で紹介することになるが、このあたりに各社の1000通貨への考え方が出ていることになる。少し表を眺めてから4社の紹介を読んで欲しい。 今回は1000通貨取引を開始したきっかけや、その取引方法やサービス内容を中心に紹介している。

また、【表2】で1万通貨と1000通貨のロスカットと実現損失について、証拠金とレバレッジ倍率別に表してみた。いうまでもないが、1000通貨のほうが実現損失は10分の1と小さくなっている。FXの取引を始めようとする人や、資産管理を厳正にしたい人はこれをメリットとして大いに活用すべきだろう。

■FXトレーディングシステムズ(FXブロードネット)レバレッジは10倍から400倍

業界でいち早く1000通貨の取引を開始したのがこの会社。1万通貨取引をレバレッジ10倍から400倍までの間で、ブロード20コースなどの名称で5つに区切ってコースを決めているが、1000通貨も導入で、ブロード20ライトコース(20倍)などと、レバレッジを20、250、450の3種類の名称をつけて提供している。 1000通貨を始めたきっかけについて、外国為替本部部長・鈴木宏明さんはこう話す。

「幅広い人がFX取引ができるようにと当初から企画していましたので、1万通貨の取引提供開始とほぼ同時に、1000通貨の取引も開始しました。ですから、1000通貨も最初から1万通貨と同じように手数料をゼロとして、通貨ペアの数も同じにしたのです。システムもまったく同じものを使えるようにしました」 通貨ペアの数もスプレッドも1万通貨と1000通貨は同じで、違うのはレバレッジの種類が1000通貨のほうが少ないことくらいだろう。 それは、よく使われるレバレッジに絞ったからであり、1000通貨という小ささから、効果を高める必要がある場合のために、400倍という高倍率のものも設定したが、「250とか400とかだけだと、ハイリスクと感じる人もいるので、20倍というものも設定しました」(鈴木さん)ということになる。確かに、20倍なら、ロスカットになっても絶対額が小さいので、精神的にもダメージは大きくないはずだ。

また、同社の1万通貨取引を利用する顧客の8割から9割が、レバレッジ50倍以下を使い、預け金がたとえば3万円なら、それを全額証拠金に使うのではなく、1万円から2万円で建てる人がほとんどだという。また、人気の通貨ペアは1万通貨取引でも1000通貨取引でもほぼ同じとなっている。

■顧客の要望を吸い上げながらサービス向上を

ところで、夏にはレバレッジ規制が行われる予定で、業界ではスプレッドはきわめて小さくなっていて、手数料もほぼゼロ並びとなって、もうこれ以上新たなサービス競争は見込めないのではないかと思う。 同社は今後どんなサービスを提供しようとしているのだろうか。同社ではスプレッドとか手数料はもうこれ以上競争の余地はないということで、今後顧客の要望をこれまで以上に取り込んでいくということだ。ツールの使い勝手をさらによくするのもそのひとつだ。サービス開始時にはテクニカルの指標をもっと増やして欲しいという要望があり、充実させてきたのだ。スペックには自信があるので、今後はキメ細かいところなどに要望を取り入れていくということになる。最後に鈴木さんが感じていることからアドバイスをひとつ。「とくに、ビギナーの方は、目一杯ポジションを建ててしまうと、反対になったときのダメージが大きいので、最初は少しだけにするほうがいいですね。それと、価格の高低の判断についてですが、最初はついついログインした時点での価格が規準価格のように思ってしまう人が多いようです。でも、全体のなかでの価格の位置を気にすることが必要ではないでしょうか。今日の相場は昨日や先週と比べて高いのか安いのかをチャートで確認するのがいいでしょう」ということだ。確かにこのあたりはビギナーが陥りやすい失敗のもととなる。

■MATRIX TRADER(JFX)ツールに新機能を搭載して1000通貨取引開始

本誌でもおなじみの小林芳彦さんの会社がJFXだ。同社はこの2月に満を持して1000通貨取引のサービス提供を開始した。

そのために、「MATRIX TRADER」という最新ツールを開発したのだった。小林さんは、「約定スピードが0・035秒で、成行きなら99・9%は成約できますよ」と自信をもって告げた。 従来のツールと比べると、ワンクリック注文機能やトレール注文機能が付加されたところが違う。 このトレール注文は、「FXブロードネット」や「みんなのFX」でも提供されているが、せっかくだから同社のもので解説しよう。たとえば、1ドル100円で買ったなら、1円安い99円でロスカットのための売り注文を入れた場合は、思惑どおり相場が上昇して、50銭上がると、ロスカットレベルも自動的に50銭上の99・50円に上がるというのがトレール注文だ。 そのまま上昇して105円になって、今度は急反落したとすると、その時点ではロスカットレベルも104円だから、そこで反対売買が起きて、4円の利食いができることになる。もし、トレール機能がなければ、最初の設定どおり、99円まで下がってロスカットになるので、結局いってこいというか、損切りとなってしまうわけだ。 とにかく便利な機能で、これも1000通貨で使えるのはありがたいことになる。ツール全体で、1万通貨用のスペックで1000通貨取引ができるということだ。 通常は1000通貨単位でも、大きなチャンスがあって1万通貨で売買したいなら、発注画面で「10」と入れれば、そのまま1万(1000×10)通貨の取引ができることになる。通貨ペアも21と不足はない。

■1000通貨なら打診売買が効率的にできる

こういうツールを開発したのも、小林さんがかつてディーラーとして、インターバンク市場で活躍した経験が生きていることになる。この1000通貨取引を始めるようにしたのは、ビギナー向けを意識しているということだ。 「1000通貨なら、初心者が上達するまでの期間のロスがこれまでより少なくて済みます。それだけでなく、1000通貨取引をすることで、実際の相場の動きのなかで、いったいどのように注文が約定し、どのようにツールが動くかを理解してもらえます」ということだ。たとえば、最初はロスカットレベルを売買値のすぐ近くに設定してみる。するとすぐロスカットになる。これでロスカットまでの動きが実際に経験できることになる。少ない金額で学べる。いわば安い授業料でFXについていろいろなことが学べるということになる。1000通貨なら10銭でロスカットされても、100円の損害ですむ。 小林さんは、 「プロのディーラーでも最初は200から300万ドル(プロには小さい単位となる)で買ってみて、市場の動きのなかで居心地を確かめるんです。もし、思惑と逆に下げるなら、今度はいわゆるドテンで、大きく売り乗せするわけです。1000通貨なら、プロのディーラーのように最初少なく買って、流れのなかで資金を追加していくということができるんですね」と。 そう、こういう打診買いや売りができるのが、1000通貨の大きなメリットではないだろうか。同社は今後さらに早い約定とシステムの安定を目指すという。 また、小林さんも為替業界での競争は、今後サービスの充実に移行していくと考える。取り扱い会社と客が両方勝ち組になれるチャンスがあるはずだと考えている。そのために、顧客に成長してもらい、長く取引でつき合って欲しいと考えている。 小林さんがインターバンクで活動していた時代でも手数料競争があり、大口の客から先に手数料をどんどん下げていったという。しかし、今は個人向けのFXでここまで手数料が下がるのは、誰も予想できなかったかもしれない。 最後に、小林さんはアドバイスとしてこう語る。 「私が相場を見るのに大事にしているのが、マーケットの内容です。短期の投機筋が買っているのか、実需筋が買っているのかを正しく判断しなければ、値動きの予想ができません。実需筋が買っているのなら、上昇しても、通常、反対売買は起きませんが、投機筋が買って、もってシコっていたら、大幅な反対売買が起きる可能性が高いです。これは短期のディーリングでのことですが、とても重要なことです」。

■みんなのFX(EMCOM証券)みんなのSNSなどのユニークなサービスが魅力

同社が1000通貨を始めたのは、FXに興味のある人が入りやすいようにということからだった。FXに対して不安があっても、1000通貨なら、その不安をやわらげることができると考えたからだ。 対象はビギナーだけでなく、口座は開設したものの、なかなか取引が進まない人も使って欲しいということだ。そのためには、デモトレードではなく、実際に自分の資金を使ってこそ理解できるという考えがあるのだ。 同社では最初の一歩として1000通貨から始めてもらい、慣れてきたら、1万通貨取引を始め、複数の通貨にしたり、取引量を少しずつ増やしていくほうがいいと考えている。そして、比較表を見るとわかるが、通貨ペアは5通貨と他社より少ない。 「1000通貨なら、親しみがある通貨を中心にして、だんだん取引に慣れてもらうという意味で、この数で十分ではないかと考えました」 というのは、小関航さん(FX事業部マーケティング課)。 また、他社と違うのは、手数料があるということ。3銭だから1000通貨で30円ということになる。それほど大きいとは思えないが、他がゼロだけにちょっと気になる。それは、「当社は低スプレッドを設定していますし、ボリュームでも1000通貨は1万通貨に及ばないので、どうしてもコストの面を考慮して、手数料をいただくというかたちにしています」(小関さん)ということになる。 同社の取引でのサービスには、ユニークなものがいくつかある。 そのひとつが「みんなのSNS」だ。SNSというと、最近はやりのコミュニティサイトで、同じ趣味をもつ人がネット上で集まって意見をいいあったり、情報を公開するものだ。株やFXのSNSも増えている。同社の「みんなのSNS」は、会員が4000人を超えるもので、みんなのFXで取引すれば、自由に登録することができ、取引をしている人たちの実際のFX取引データをもとに、運用成績のランキングを競うサービスだ。 誰がどんなポジョションを保有しているかがわかるようになっている(個人名は出さない)。これで運用成績上位者の取引手法をチャート上で分析したり、チャットで参加者同士でのコミュニケーションができるのだ。また、どのタイミングで売買したかとかがわかる。

■24時間電話サポートも健在

それに、EMCOMグループにはシステム会社もあり、EMCOM証券ではツールの改良に積極的だ。便利なのは、シグナルプロバイダーからの情報で、チャート上に売買シグナルが出ることだ。「ドル/円」「ユーロ/円」「ユーロ/ドル」の3種類の通貨ペアの1分足、5分足、10分足に8種類のシグナルが出現するように設定可能で、それを参考にしてトレードを進めることもできる。 また、面白いのは、みんなのFXの顧客の売買比率がリアルタイムでわかることだ。たとえば、今ドルは買っている人が多いのか、売っている人が多いのかなど、全体のトレンドがどうなっているのかがわかることになる。それと電話サポートを24時間提供しているのもありがたい。 同社では、今後のサービス提供について、「たとえば、昨日の為替がなぜ動いたかなどは、サイト上にあるFXレポートを見ると解説していますし、その他の情報の提供にも力を入れていきます。また、ツール機能をさらに高度にするなど、いろいろなこと進めていく予定です」(小関さん)としている。

■パートナーズFXnano(マネーパートナーズ)100通貨でもアセットコントロールが使える

投資家を育てるために貢献できる100通貨
今回の特集のなかでもひときわ目立つのが、このパートナーズFXnanoだろう。ハイテク界ではすでに微細のナノレベルが次世代の花形になっているが、このFXnanoは、FX業界で現在もっとも小さい100通貨単位なのだ。すでに2年くらい前からサービスの提供が始まっているが、1万の次が1000でなくて100というのが、なんとも大胆ステキな感じだ。 「100通貨単位というのは、初心者の方にもスムーズに入ってもらうため。当社はデモトレードを用意していませんが、100通貨単位なら証拠金『100円』から取引が可能です。しかも、少額とはいえ、あくまでも自己資金で取引するからこそ、実践での知識やトレード技術が身につくわけですね。FXnanoを導入してから、新規のお客さまが確実に増え、そのなかから1万通貨に移行する方が増えています」(前原幸雄さん・マーケティング部)。 そのとおりで、確かに、自分でお金を使って取り引きしないと、損失を出したときに、「ま、いいか」なんてなりかねない。自己負担なら、損失を出したときに悔しくて、それが次への前進の力になることも多い。ただ、大金を失うと心が折れてしまうので、そこそこの金額の損失ですむようなものがいいだろう。

■1万通貨に引けをとらないツールとサービス

100通貨単位といっても、システムは1万通貨と同等のものを用意しているので、1万通貨と同じように取引を行えるし、スキルが向上したら、いつでも1万通貨に移行できるようになっている。
通貨ペアはすべてクロス円の8通貨であり、これは1万通貨のクロス円ペアと同じ数だ。比較表をみると、スプレッドが広がっているように思うかもしれないが、スリッページをしない、約定拒否をしないことをモットーとしているので、ストリーミング注文では、必ず約定することに力を注いでいるのだ。ほかに、1万通貨単位との違いは、週をまたいでポジションをもち越せないことと、現在の金利水準では売り買いともにスワップポイントがつかないとかぐらいのもの。

■ポートフォリオのように全体で損益管理

そして、同社のサービスのなかで目を引くのが、「アセットコントロール」だ。このアセットコントロールというのは、取引の損益を単一のポジションのものだけでなく、複数建てたポジションの全体としてコントロールするものだ。 たとえば、「ドル/円」と「ユーロ/円」「豪ドル/円」の3つのポジションを建てている場合に、全体でいくらまで利が乗ったら売りたいとか、損失をいくらまでに抑えたいとかが設定できることになる。 従来のリスク管理方法では、各通貨ごとに逆指値で損切りポイントを設定する必要があるが、相場の行方が読めないなかで、各通貨ごとのリスク許容度を判断するのは大変難しい。下手をすれば、3通貨全部が同時に下がったときに、損失が大きく拡大してしまうことがある。アセットコントロールを用いれば、3通貨全部の含み損益を合計し、金額ベースでの損切りポイントを設定することができるのである。 複数の通貨ペアを全体として損益を把握し、リスク管理ができるということになる。もちろん、ロスカットだけでなく、「全体での利益がいくらになったら全決済して利益を確定させる」ことも可能だ。 また、「携帯では1万通貨と100通貨は同じシステムを使って取引できます。「HYPER SPEEDモバイルNEXT」というツールを提供していますが、1ボタンでパートナーズFXとパートナーズFXnanoの取引画面に切り替えられます」(前原さん)ということだ。 とにかく、FX業界は今賑やかだが、次のステージに向けて着実に歩いているようだ。次のステージは、スプレッドや手数料の競争でなく、本当に投資家のためになるサービスの開発ということになるだろう。 今回取材した各社も、1000通貨の提供はコストがかかるが、投資家の層を広げ、FXの魅力を知ってもらって、上達してから長いつき合いをしてもらいたいと考えている。 今後、業界はそうやって投資家を育てることがますます重要になるだろう。1000通貨取引のサービスを提供している会社は、その辺りを見据えたうえで、まさに、前向きに取り組んでいるといえよう。 読者はこの記事を参考にして、あとは各社のサイトを細かく見て、自分に合うところを選んでもらえれば嬉しい。

 

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