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今週は、月末とあって方向感が限られる展開となりそうだ。 欧米勢も夏休みシーズンである上、注目されていた欧州のストレステストも無難に通過..

今週の見通し18 GCIキャピタル・チーフストラテジスト:山岡和雅

yamaoka_120x159.png今週は、月末とあって方向感が限られる展開となりそうだ。欧米勢も夏休みシーズンである上、注目されていた欧州のストレステストも無難に通過したことから、売買が手控えられる可能性がある。 29日にNZ中銀金利発表、30日には第2四半期の米国内総生産(GDP)速報値が予定されているが、金融当局者の講演予定もあまり無く、このほかに手掛かりとなりそうな発表も乏しい。欧米の大手企業の決算発表が続き、マーケットのムードを左右する場面はありそうだが、米大手企業の決算発表は峠を越えつつある。

引き続き、足元のテーマは年後半の世界的な景気である。 米国を中心に、景気回復ペースが鈍化しているとの認識が共有されており、この見方がより悲観的なものとなるか、あるいは、思ったほど警戒するものではないとの見通しに落ち着くのか、どちらかといえる。新興国との経済的関連を背景に、主要国間で景気に温度差が感じられるシナリオも想定される。 ただ、足元では各市場とも夏枯れが進んでいる雰囲気があり、経済指標などに対するマーケットの反応が鈍くなる可能性があるほか、逆に流動性低下で反応が過敏になるシナリオも想定しておいたほうが無難だろう。

先週発表された経済指標で市場予想を上回ったのは、ドイツやユーロ圏の製造業・非製造業PMI、英小売売上高、英GDPなど。独Ifo景況感指数は07年7月以来の高水準だった。ユーロ圏の企業景況感指数はユーロ安で上向いた側面があるほか、英GDPの伸び率は前期比で2006年第1四半期以来の高水準となり、ユーロやポンドなど欧州通貨は素直に反応した。南アフリカで開催されたワールドカップも欧州の景気を刺激した。弱い経済指標が続いている米国とは対照的といえる。ただ、各国とも年後半の景気見通しに明るさはない。

graph

一方、米住宅関連指標の動向は引き続き懸念された。先週は米住宅建設許可件数、米住宅着工件数、米中古住宅販売件数が発表され、強弱ミックスだったものの、米住宅市場が低迷を続けていることが再確認された。20日にカナダ中銀が政策金利発表を行った際の声明では、今年と来年のカナダ成長率見通しを下方修正した上、米国を含め世界的な景気回復ペースに慎重な見方を示しており、利上げ継続を示唆するような前向きな内容ではなかった。カナダ中銀が声明で言及しているように、主要国の経済は政府支援無しでは依然としてもろく、自立的な回復軌道にはのっていないと思われる。先週、半期の議会証言を行ったバーナンキFRB議長も景気見通しの悪化を認めており、今後の選択肢として、超低金利金利政策を継続する期間についての表現の変更、銀行に対する準備預金金利の引き下げ、住宅ローン担保証券(MBS)の買い入れ再開などをあげた。追加金融緩和に向け、積極的に動き出したといえる。

世界的に景気の現状認識が急速に悪化してきたわけではないものの、各国が追加の景気支援に動くか、景気動向を引き続き見守るかの分岐点にさしかかりつつあることは確かだろう。ただ、格下げ懸念がある中で主要国は積極的な財政政策に動きにくく、有効な金融政策も手持ちがないため、成り行き任せの状況に変わりはない。純粋に、経済指標の結果や市場参加者の気分次第といえ、場面ごとにリスク選好・回避のどちらにでも振れる可能性がある。もっとも、政府支援が望めない中ではどちらかというと後ろ向きの雰囲気が広がりやすい。

ただ、有効な景気対策が打ち出せない中、米国が自国通貨安競争に舵路を切ろうとしている節もある。バーナンキFRB議長が挙げた政策も、景気刺激効果は疑問であり、ドル安誘導も視野に入っているのではないか。今後、リスク選好の流れが鮮明化する場面があったとしても、米国の追加金融緩和が意識されている状況でドル円の上値は重く、クロス円を圧迫しそうだ。経済指標の発表はあまりないが、悪いなりに欧州景気のほうが安定しているとの見方が広がると、ドル売り主体の相場展開が続く可能性が高い。主役は円相場ではないと思われる。

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