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今週は、世界的な景気回復継続に懐疑的な見方が増えている中、各国の経済指標に対する注目度が高まっている。

今週の見通し17 GCIキャピタル・チーフストラテジスト:山岡和雅

yamaoka_120x159.png今週は、世界的な景気回復継続に懐疑的な見方が増えている中、各国の経済指標に対する注目度が高まっている。特に、米経済指標の悪化が目立っており、今週発表される米住宅関連指標や米カンファレンスボード景気先行指数などが弱ければ、素直にリスク回避パターンの円買いやドル買いとなりそうだ。欧州のストレステストの結果も発表される予定となっている。

先週、6月22日、23日分の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録が発表されてから、景気の先行き不安が広がっている。このFOMC議事録では、米景気見通しはやや弱まったとされ、景気見通しが一段と悪化した場合には追加緩和を行うかどうか検討すべき、との発言もあった。FRB見通しで、2010年の米経済成長率見通しは前回の3.2%-3.7%から、3.0%-3.5%とされている。

次に、英中銀についてみてみよう。発表は日本時間8日20:00の予定。BOEは今回も政策金利を据え置くとの見方が大勢になっている。資産買い取りプログラムの上限も2000億ポンドに据え置かれる見通しとなっている。市場予想通りの結果となることが濃厚で、この場合はポンド相場の反応は限定されそうだ。ただ、事前の織り込み好きなロンドン勢は発表を控えてどのような材料を取り上げてくるのか。ウワサの広がりにも注意はしておきたい。前回の政策委員会ではセンタンス委員が0.25%の利上げを主張していた。今回はどのような思惑が広がるのか。ただ、金融政策に変更が加えられない場合は、通常、声明発表は行なわれない。したがって、投票状況などの詳細な内容は21日の議事録発表まで待つ必要があるだろう。

FOMC議事録では、景気悪化局面に再び突入する可能性には言及されていないものの、6月のFOMC以降も弱い米経済指標が続いている。このため、現在のFRBの景気認識は前回のFOMC議事録よりも弱い可能性がある。今週は21日にバーナンキFRB議長が半期金融政策報告を行う予定で、景気認識をさらに下方修正してくるようであれば、米国債への資金流入は一段と強まり、株式市場や資源国通貨の選好を後退させそうだ。また、低迷している米住宅市場も米金融機関の財務改善を遅らせ、企業や個人に対する与信回復の阻害要因となっている。米低金利政策のさらなる長期化が予想されているとはいえ、資金は米国債に流れやすい状況が続いており、市場参加者の悲観的な見通しが米経済指標やバーナンキFRB議長の証言によって再び裏打ちされる可能性のある一週間といえそうだ。今週は米大手企業の決算発表が先週からさらに増えるが、悲観的な見通しを一変させるインパクトはないだろう。仮に強い米経済指標や決算が出たとしても、過去の結果として捉えられる可能性が高く、投資家心理の改善にはつながらないだろう。焦点は年後半の世界景気といえる。

graph

今週は、7月7日、8日分の英中銀金融政策委員会(MPC)議事録の発表や、第2四半期の英GDP速報値の発表も予定されている。米経済指標と同様に、今後の世界経済見通しに関連する上、ポンドの動向に対してインパクトが大きい。まず、英MPC議事録だが、前回(6月)の英MPCでは、センタンス委員一人が政策金利の引き上げを主張しており、今回も同委員の票がポンドを動意付かせそうだ。英消費者物価指数の伸びがインフレターゲットを上回っている一方で、世界的な景気回復基調に対する暗い見方が増えてきている中、センタンス委員が利上げ主張を再度行ったかどうかが焦点といえる。サプライズの多いイベントであり、発表時は要警戒だろう。

第2四半期の英GDP速報値については、第1四半期の前期比0.3%増から0.6%増へと伸びが加速すると見られている。ただ、英国だけでなく世界的に、2010年上期は景気回復が続いたと見られているものの、2010年下期の景気については回復が穏やかになるとの見通しが多い。この背景は各国が行っている緊縮財政であり、英国の場合は付加価値税(VAT)引き上げなどである。英VAT引き上げ実施は来年からとされているものの、子ども手当など福祉給付の抑制、公務員の賃上げの一時凍結なども発表されており、景気回復を妨げそうだ。債務懸念が引き続きくすぶっている欧州でも財政赤字削減が進められており、英景気回復の阻害要因となる。今週の英GDP速報値が市場予想から上振れしたとしても、ポンド買いの動きは一時的となる可能性もあり、逆に下振れするようだと、景気先行き不安と相まってポンド安の反応が大きくなるシナリオも想定される。このほか、今週は英小売売上高の発表も予定されている。

欧州のイベントでは、週末に独Ifo景況感指数や欧州ストレステストの結果が発表される。ストレステストの注目度が高いものの、基本的に欧州に対する不安を強めるために行われるテストではなく、欧州金融機関の透明性を示す目的がある。このため、ストレステストの前提条件にもよるが、このところのユーロ買い戻し基調を妨げるとは考えにくい。ただ、リスク回避のドル買い圧力が強まれば、ユーロドルの反発に一服感も広がりそうだ。

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