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今週は、米国や英国の国内総生産(GDP/改定値)や、米住宅関連指標が発表されるものの

今週の見通し11  GCIキャピタル・チーフストラテジスト:山岡和雅

yamaoka_120x159.png今週は、米国や英国の国内総生産(GDP/改定値)や、米住宅関連指標が発表されるものの、発言予定も含め、注目度の高いイベントはない。人民元問題を巡って米中戦略経済対話にケアも必要だろうが、中国政府が欧州財政懸念の波及を懸念している中で、人民元の切り上げが発表されるとは想定しにくい。 欧州財政問題を背景としたユーロ売り基調や、中国株安・資源安の進展をきっかけとした豪ドル売りの動向が今週も値動きの中心だろう。 ユーロ加盟国の財政問題だけでなく、株安や資源安が資産効果の剥落を通じて各国の景気を圧迫すると懸念されており、GDPなどが強めに出たところで、過去の結果として扱われ、前向きな反応は想定しづらい。逆に、市場の不安を後押しするような先行性のある経済指標や発言には敏感に反応しそうだ。

先週、ユーロドルは1.2143辺りまで下落し、年初来安値を塗り替える展開が続いた後、週後半にかけては1.26台後半まで反発するなど、下落基調に調整が入った。これまで、5000億ユーロの欧州安定化メカニズムの合意や欧州中央銀行(ECB)による国債買い取りなど、一連の欧州懸念沈静化措置を受けてもユーロ安基調はおさまらなかったが、市場の関心がユーロ買い介入に向かったことがユーロ安の一時的な後退につながった。 ドイツ政府が現物の裏付けのない証券の空売り規制を発表し、市場に対する干渉を強めたことなども、市場の介入への思惑を膨らませる要素となった。ユンケル・ユーログループ議長が介入の可能性を否定しており、ユーロ買い介入が実施される可能性は乏しいものの、遠回しに市場参加者の関心を左右できれば、ユーロ安基調が落ち着く可能性は十分にある。ただ、ユーロ圏当局者が足並みを揃え、市場心理をコントロールできるかどうかというと、懐疑的にならざるをえない。欧州財政問題を背景としたユーロ圏景気回復の失速は引き続きテーマといえる。ユーロの反発局面が今週も継続するとは想定しにくい。 ユーロ安基調に調整が入った一方で、これまでの資源国通貨買いを巻き戻す動きが強まっている。対ユーロでの資源国通貨高も急激に反転した。世界的な景気回復の象徴である資源国通貨高が、上海株式市場の下落基調や欧州経済の先行き不安などを背景に反転していると想定すると、ユーロ圏だけの問題が世界経済の暗雲として広がり始めたといえる。市場参加者の先走り気味な懸念だとはいえ、ただでさえ景気回復が脆弱な中で、資産効果の後退は唯一の頼みの綱が失われることに等しい。単なる懸念でも実体経済に悪影響が及ぶ可能性が高い。株式市場の下落と資源国通貨安のリンクが強まっていると思われ、各国株式市場が一段安となれば、資源国通貨が再び率先して売られる展開となっても不思議ではない。

ユーロ安・円高に続き、資源国通貨安・円高がドル円やそのほかのクロス円の値動きを決めている。これまでユーロ安・円高さえ一服すれば、円相場の円高圧力は後退すると思われていたが、先週は資源国通貨売り・円買いが相場を主導した。各国の株式市場でも年初来安値を更新する株価指数が大半で、今後の世界経済の先行きが不安視されている。

今のところ、各国の経済指標に先行きの悲観論を裏付けるようなものは限られており、懸念はただの懸念である。ただ、マーケットの前向きな動きが景気の強さを左右する状況が続いていたため、逆方向への動きはここまでの景気回復基調の反転につながりかねない。リスク回避の円高を強く押し進めているマーケットの懸念は景気の先行きを表しているといっても過言ではない。これまでの景気回復局面で暖められた資金の温度にもよりそうだが、ユーロ安・円高や資源国通貨安・円高がおさまっても、円買い圧力は居座り続ける可能性が高い。 悲観論が腰を据えつつある中、各国が協調的な行動でも起こせば、移り気なマーケットは機敏に反応する可能性がある。ただ、主要国とも財政健全化が必要な状況であり、ソブリンリスクが冷めないなかで、追加の財政出動へのハードルは高い。各国政府首脳なり、金融当局者が、この鬱積しつつある不安を読み取っているとは思えず、今後はこういった不安が数字として景気に表れるシナリオが強まってきたといえる。

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