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ギリシャなどのユーロ圏諸国が財政危機に陥らないための支援基金として、「欧州安定化メカニズム」を創設し、総額で5000億ユーロの資金枠を用意することで合意した。

今週の見通し9  GCIキャピタル・チーフストラテジスト:山岡和雅

英国関連のイベント集中

yamaoka_120x159.png日に行われた欧州連合(EU)の緊急財務相会合において、ギリシャなどのユーロ圏諸国が財政危機に陥らないための支援基金として、「欧州安定化メカニズム」を創設し、総額で5000億ユーロの資金枠を用意することで合意した。これを受けてギリシャなどへの財政赤字懸念から急速に強まっていたユーロへの信用不安が一気に後退。ユーロ円が前週末から一時6円近く上昇するなど、週明けの市場でユーロが大幅に買い進まれる展開となった。しかしこうした動きはその日の海外市場でかなり調整され、ユーロ円も3円以上値を戻すなど、荒っぽい展開が続いている。

今週はこの後もギリシャ問題に対する市場の関心が続くと見られる。週明けのNYダウ平均株価が400ドル超の上昇で引けるなど、株式、債券市場などでも今回のEUの措置は好感されており、パニック的な欧州への懸念は落ち着くと期待されている。しかし、支援策の一環で欧州各国中銀が欧州国債の買い取りを行っていることに関して、中央銀行のバランスシート悪化への懸念が強いことや、今回の懸念の大元である財政悪化問題の根本解決にはならないことなどが、懸念払拭の妨げとなっているようだ。当面は、欧州要人からの発言や、国債市場の動き、さらにはユーロ圏諸国に対する格付け会社の動きなどに神経質に反応する展開が予想される。

ユーロ圏全体では景気回復の流れ続く

ギリシャ問題を中心に欧州に市場の目が向く中、12日にはユーロ圏の第1四半期GDP(速報値)が発表される。ギリシャなど一部の国を除いて、景気回復の流れは堅調という見方が裏付けられるのかがポイントとなる。予想は前期比+0.1%と、第4四半期の前期比変わらずからやや上昇。前年比でも+0.4%と、こちらは08年第3四半期以来のプラス圏回復が期待されるなど、強めの数字が予想されている。景気回復動向に陰りが見られると、ユーロ支援への国内からの反発が強まる可能性もあるだけに、予想外に弱めになったときには要注意である。同じ日に発表される独、仏など主要国のGDPと合わせて注目しておきたい。

雇用統計に続き好調な数字が期待される米小売売上

やや蚊帳の外となっている米国も、14日には小売売上(4月)が発表される。先週発表された雇用統計では、非農業部門雇用者数(NFP)が予想の19万人増を大きく上回る29万人増という好結果を記録した。個人消費と直接関わるため注目度が高い小売売上においても、雇用統計の流れを引き継いで好結果が期待されるところ。今のところ予想は前月比+0.2%。前回の+1.9%からは増加幅が縮小しているが、前回は自動車業界が大規模な販売促進を行ったことや、歴史的な寒波の影響で前々回が弱くなった反動などをうけて、実態以上に強く出ただけであり、そこからさらにプラスと言う今回の予想はまずまずな数字といえる。ただ、市場はギリシャ問題に絡んでリスクに対して敏感になっており、強めの数字でのインパクトがそれほど期待できない一方、弱い数字が出てくると、クロス円の売り圧力が強まることが予想されるため、前月比マイナスなどの数字が出てくるようだと要注意である。

政局不透明感が強まる英国

ギリシャ問題に絡んでユーロと連れ安になる場面が目立つ英ポンドに関しては、先週の英下院総選挙の結果が、売り圧力に拍車をかけている。総選挙の結果、現野党である保守党が第一党に返り咲いたが、政権が安定する過半数は確保できず、第3政党である自由民主党との連立を模索している状況。現与党の労働党も、自民党と連立して政権樹立を狙っており、次期政権の姿が全く見えなくなっている。投資マネーは政治的な混乱を嫌う傾向があり、こうした状況がポンドへの売り圧力につながっている形。現在駆け引きが続いている連立交渉の結果が、今後明らかになるに従って、相場も大きく反応してくるとみられる。基本的には財政再建の意欲が強い保守党が主導で政権を握ればポンド買い、保守党が政権を握る物の、連立にあたって自民党に大きく配慮し財政再建に後ろ向きの姿勢が見られるか、労働党が逆転で政権を握る展開になるとポンド売りという動きが予想されるところ。

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