仲
値というのはT.T.Mean
rate、つまり、T・T・SとT・T・Bのベースとなるレートのことをいいます。銀行は通常午前10時頃にその時点における外国為替相場に基づいて仲値
を公示します。仲値はまずUSドルが公示され、それ以外の通貨(たとえば、ユーロなど)については多少遅れて公示されます。
メガバンクや大手銀行はUSドル以外にも多くの通貨について仲値の公示を行いますが、地方銀行等についてはUSドル以外の通貨に対する仲値公示を限定しているようです。
また、USドルの仲値については、かつては一部の外銀を除けば、銀行の大勢は同一でしたが、現在は各銀行が独自の相場を公示しており、おおむね上下5銭ぐらいの範囲でバラツキがあります。
なお、公示仲値は当日の為替レートのため、2営業日後のレートであるSpot rateにTodayとSpot dateの2日分のSwapを加減して決定します。
仲値をベースとしたT・T・B、T・T・Sは、予約のない輸出入の為替の決済に使われますが、なかでもマーケットが注目するのは輸入決済の金額です。
そ
れは、輸入決済については、銀行が当日の決済総額およびSpot(予約のない)決済、言い換えれば、仲値をベースとする決済の内訳をあらかじめ承知してお
りますから、外国為替リスク(対顧客相場とマーケットレートとの差異)を極力少なくするため、外国為替市場で仲値のベースとなる相場が決まる直前に手当て
を行うことになります。
従って、銀行の仲値決済の総額の多い日は、午前中、とくに、10時直前に銀行の外貨買いが盛行するため、結果的に相場が押上げられることになるのです。
一
方、輸出については、午前10時頃の仲値決定への影響度はさほど高くありません。理由としては、大口の輸出手形を持ち込む取引先は、自動車、電機、ハイテ
ク関連等の大企業が多く、常に円高を懸念して、予約の比率を輸出額の3分の1とか、2分の1程度を最低限のリスクヘッジとして維持していること、輸入に比
べSpotの比率が低いこと、そして、一般企業や中小貿易業者の輸出手形の銀行への持込み時刻が一定でないことなどが挙げられます。
なお、輸入のSpot決済が多いことについては、金額の大きい石油輸入の決済についての予約比率が低いことや、中小の輸入業者が予約ではなくSpot決済を行う場合が多いことに起因しており、昔から現在まで大きな変化はありません。
この理由は、対外的に公示仲値を使ったほうが輸入業者にとって第三者に説明しやすいことの他に、結果的に長期的な円高が続いてきたことにより、為替リスクが輸出業者に比べ相対的に低いことにあるからだといわれています。